ニミュエ [ Nimue ](別名:ヴィヴィアン[Vivian]、ニマーヌ[Nimane]、ニニュー[Nyneue,Nynyue])

別名・「湖の姫」「湖の貴婦人[Dame du Lac]」。
アーサーにエクスカリバーを授けたのは彼女。
そして、「湖の騎士」ランスロットの養い親でもある。
そして、魔術師マーリンをトリコ仕掛けで骨抜きにした挙句、教えてもらった魔法で閉じ込めて行方不明にしちゃったのも彼女である。
そして・・・しつこい?

モルガン同様、出たり消えたり、不可思議な存在。初期の騎士物語では妖精、主に水の精霊として扱われているものの、時代が下ると人間の魔法使いになっている。
マロリー版では妖精と人間の中間みたいな存在。どちらかといえば人外っぽいです。と、言ってもおどろおどろしいイメージはなく、善玉扱いでございます。
二つ名が示すとおり、魔術で作り出した幻の湖の中に美しい城を持ち、多くの使用人と共に暮らしていると言われております。

アーサーが最初に岩から引き抜いた剣、コレは本当のエクスカリバーじゃないんですけど、まあソレが戦いの中で折れた時に、マーリンは彼をニミュエの住む湖に連れていったんですな。そこに、湖の上にす〜っと美しい女性が出現し、見事な鞘に納まった名剣エクスカリバーを渡してくれたのです。
その美女こそが、湖の姫、ダーム・デュ・ラック。
その後ろもアーサー王とその騎士達の良き擁護者となり、妖姫モルガンの企みからアーサー王の命を救ったり、その他、円卓の騎士達にあれこれと手助けをしています。

で、数々の戦いを経て、ついにアーサーが力尽きて今や死を待つばかりの状態になった時、付き従ってきたベディヴァー(=ベディヴィエール[Bedivere])に「この剣を湖に投げ入れてくれ・・・」と頼むワケです。
ベディヴァーは剣を湖に投げ入れ・・・ようとしたとこで「もったいないッス」と思い、剣を隠して戻ってアーサーに「剣を湖に捨てました」と告げる。するとアーサー、「何が見えた?」。
ベディヴァー答えて「ただ波だけが」。
それを聞いたアーサー、嘘はいかんよ嘘はぁ、と再びベディヴァーを湖へ。そこでベディヴァーは・・・ってなことを3回繰り返した後、ついにベディヴァーはエクスカリバーをえいやと湖に放り入れます。
すると、波間からすっと白い手が伸びて剣を掴むと3回回し、消えるのでした・・・。
てなコトをベディヴァーが報告すると、アーサーはベディヴァーの助けを借りて湖に向かいます。すると、湖の向こうから一隻の小船がやってきて、アーサーを迎え入れ、妖精の島アヴァロンへと運び去るのでした・・・その船に乗っていたのは3人の貴婦人。
すなわち、モルガン・ル・フェイとノースガリスの王妃、そしてニミュエ・・・っておい!じゃあさっきの手は誰〜〜〜??!!てな、ちょっとホラーなオチ。

高貴な女性なのは確かだけれど、出身地不明だわ年齢不祥だわ(赤ん坊ランスをさらった時に既に大人だったのに、ランスロットがいい年の親父になってもオバサンになった形跡ナシ・・・なぜ!)ともかく、謎の多いお姫様ではあります。

種明かししてしまえば、マロリー先生の作品の中では同一人物として扱われている彼女、他の物語の中では、複数いる「湖の乙女」のうちの一人だとも書かれているのでございます。
つまり、ランスロットを育てたダーム・デュ・ラックと、マーリンを虜じかけにしたニミュエは別人ってわけですな。
その方が筋としては通るけど、ここはやっぱり「妖精さんだから年は取らないのさ!」と思っておくのがファンタジー愛好家の正しい姿勢でしょう!

Posted by 鰯野三和土