マーリン(『ミルディン』はウェールズ読み) [ Merlin ]
喰えないじじい。アーサーの父の代から王の良き相談役であり、優秀な魔術師かつ予言者であった。実質的にアーサーの王国の礎を作った人物。石に剣を刺して王を選定したエピソードは有名。その後、アーサーに名剣エクスカリバーを与える手引きをしたのもマーリンである。
母親は敬虔なキリスト教徒だったが、父親は夢魔インキュバスであったといわれる。悪魔の手先として邪悪に染まる筈だった彼は、聡明な母によってすぐさま聖職者の手で洗礼を受けさせられたためたいして邪悪な存在にはならなかった。(ってことは、ちょっとは邪悪なおじいだったんか?)
アーサーの父、ウーゼルに「ティンタジェル公の奥さんと通じさせてほしい」と頼まれてウーゼルを公の姿に変え、城に潜入させるくらい朝飯前。アーサーの将来を予言したり、邪悪な妖精に魔法をかけられたアーサーを救ったりと大活躍するが、年がいもなく色ボケしたせいで「世にも恥ずかしい最後(本人談)」を迎えることになる。
湖の姫ことニムエ姫(ヴィヴィアン)に惚れたマーリンは彼女にあらゆる魔法を教え、最後に「誰かを閉じ込めて、私以外には決して会えないようにできる魔法はないかしら?」なんて言われてついうっかり口をすべらせてしまったのが運の尽き。
マーリンが居眠りから覚めたその時には、湖の姫以外にはけっして出入りできない塔に閉じ込められた後だったのでした。
教訓。「若い愛人の言うことを容易にきいてはいけない。どんな落し穴があるかわからんから」
その後マーリンは幽閉された森を訪れたガウェインに助言を与えたのを最後に宮廷から姿を消すのでした。合掌。