ガレス [ Gareth ]
アーサーの姉モルゴースの息子。ランスロットファンクラブ名誉会員。
お兄さんのガウェインに言わせると「もしランスロットが希望するならガレスはアーサー王やこの私や他の騎士全てを敵に回すでしょう」ってくらい、その傾倒ぶりはすさまじい。ガレスにしてみれば自分が騎士になるにあたって推薦してくれた人物だし、なによりカッコいいし、とにかく大尊敬していたのだった。
しかし、かわいそうなことにそれが仇になってガレスはランスロットによって殺される。悪いお兄ちゃんのアグラヴェインとモウドレットの計略によって王妃とランスロットの不倫がバラされ、王妃が火あぶりの刑にされる事になった時、アーサーの命令によってその警護に当たることになったガレスと兄ガヘリスは、ランスロットの悲嘆を思いやって、平服のまま一切の武装をせずに現場に行ったのである。
しかし、やっぱりというか王妃の危機を救うためにランスロットが処刑場に駆けこんできた。警護の騎士達を手当たり次第になぎ倒すランスロットの剣は、運悪く何の防具もつけていないガレスとガヘリスの上に・・・。いくら興奮していたとはいえ、気付けよバカ、という気もしないでもない。
そしてそれがきっかけになってガレス達の長兄ガウェインとランスロットの間の亀裂は修復不可能な物となり、全面戦争へと突入してしまうのだが、その時のランスロットの言葉。
「私は身内の誰よりもガレス卿を愛していました。(略)ガレス卿が他のどの騎士よりも私を慕っていたということを私もよく知っていました。(略)それにしても、あのお二人(ガレスとガヘリス)があの日に限って武装をしていなかったとは、なんと不幸なことだったろう!」
・・・アンタのためだっての・・・。
ちなみにアーサーの執事ケイによって「ボーメン(白い手)」という屈辱的な仇名を進呈されているが、それは最初、自分の身分を偽って宮廷の台所の下働き男として現われたからである。騎士として武勲を挙げてからも長らくこの仇名で呼ばれることになったガレス。・・・いぢめられっ子か?
「アーサー王の死」の中での不幸大賞はこの人で決まり!でしょう。