ボールス [ Sir Bors ]
ガリア王ボールスの息子。ランスロットの従兄弟にしてファンクラブ会員第3ご・・・しつこい?
聖杯探究を成功させ、かつアーサー王の元に帰ってきたただ一人の騎士。
ブランデゴリス王の娘に思いを寄せられ、魔法をかけられて契りを交すまでは純潔を保っていた。マジメなのねん。その時にできた子が、のちのコンスタンティノープル皇帝、ヘリン・ル・ブランク(白皙のヘリン)。ちなみに英語だと「Helain The White」。・・・だっせえ・・・。
聖杯探究の際、危機に陥っている兄、ライオネルを助けるか、見ず知らずの乙女を助けるかの究極の選択を迫られる。結局、乙女を助けたあと、兄を助けようと走るボールス。しかし、たまたま行き会った僧侶に兄の行方を尋ねたところ、「その方なら死んでしまわれましたよ」と薮の中の死体を見せられた。
「懐かしい兄上。あなたと引き離されて、もはや私の喜びは永遠に消え去ってしまった」と身も世も無いほどに嘆くボールス。エクトルといい、どうもランスロットの一族は兄弟愛が強いみたい??(^^;)
泣く泣く兄を葬り、小さな礼拝堂に差し掛かったボールスはびっくり仰天。死んだとばかり思っていたライオネルが入り口に座っている!兄の無事を心から喜ぶボールスだったが、フツー怪しむとか怯えるとかしないか?なんか頭のネジが常人と違う位置にあるようじゃのう。
それはともかく、喜ぶ弟に、ライオネルは怒りの声をぶつける。「おまえは俺を見捨てた。その非道な行いに対し、今、この兄が殺してやる!それだけの値はあるのだ」
兄の激怒に、土下座して謝るボールスだったが、ライオネルは聞き入れない。兄と戦うか殺されるか、二つに一つしかなくなってしまった状況に困惑しながらも、ボールスは必死に兄に赦しを乞う。闘おうとしない弟に業を煮やしたライオネルは、馬を煽ってボールスを蹄にかけた。気絶した弟の兜を引き剥がし、首をはねようとした所で、円卓の騎士のひとりであり、兄弟とも旧知のコルグレヴァンスが通りかかった。
兄の弟殺しを止めに入ったコルグレヴァンスは、正気づいたライオネルに助けを求めながら、逆上したライオネルに殺されてしまう。
そして、ライオネルは再びボールスを殺そうと撃ちかかってきた。最後の懇願をも一蹴されたボールスは泣きながら剣を抜き、兄に刃を向ける罪を神に詫びた。
そして、まさに兄を討とうとしたその時、天から「兄を討ってはいけない」と声が聞こえ、一群の雲が二人の間に降りてきた。
炎そのもののような雲によって、二人はしばらく気絶していたが、気がついた時にはライオネルはすっかり正気になっており、ボールスに対する仕打ちを謝罪した。ライオネルは悪魔に操られていたのだ。
兄の無事を喜び、快く許したボールスは神の声に導かれるままにパーシヴァル・ガラハドと合流し、聖杯探索を成功させるのだった。めでたしめでたし♪
・・・って、おいコラ。コルグレヴァンスはどうなったんだよ・・・(死んだまま)。とんだとばっちり君なのでした。アーメン。
その後、アーサー王の、っていうよりランスロット一党の元に帰ったボールスは、ランスロットの死後十字軍に加わり、他の騎士とともに聖金曜日に戦死するのでした。
けっこうおいしい役回りのボールス卿。それにしても十字軍とはねえ。うーむ。
Posted by 鰯野三和土